DPCデータによる病院指標 HOSPITAL indicator

令和5年度における松江生協病院 病院指標をご覧いただけます。

令和5年度 松江生協病院 病院指標

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 20 52 50 97 170 303 673 792 634

一般病棟に入院した患者様の年齢階級ごとの人数です。70代以上が全体の75%を上回り、90代以上の患者様の人数も年々増加しています。チーム医療の実践と、救急・急性期から回復期・慢性期、退院支援までを備えた大規模ケアミックスの病棟編成の利点を活かし、様々な疾患を抱えた高齢の患者様も安心して医療を受けられるよう、総合的な診療の充実を目指しております。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈
経皮的カテーテル心筋焼灼術
手術・処置等2 なし
95 10.64 4.57 0.00 73.79  
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし
手術・処置等2 なし
63 31.59 20.60 1.59 87.11  
050130xx9902xx 心不全 手術なし
手術・処置等1 なし
手術・処置等2 2あり
58 39.74 23.74 0.00 88.19  
050130xx9900x0 心不全 手術なし
手術・処置等1 なし
手術・処置等2 なし
他の病院・診療所の病棟からの転院以外
51 32.24 17.38 3.92 85.96  
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患
経皮的冠動脈形成術等
手術・処置等1 なし、1,2あり
手術・処置等2 なし
46 5.98 4.26 0.00 75.30  

心房細動などの不整脈疾患や、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患に対するカテーテル治療を積極的に行っています。地域の高齢化が進むにつれ増加する心不全の治療も含め、多職種によるカンファレンスで情報を共有しながら、前述の手術療法のみならず、心臓リハビリテーションや生活指導など多角的に治療に取り組んでいます。また、当院では臓器別によらない総合的な診療に努めており、誤嚥性肺炎といった循環器疾患以外の疾患も多く担当しています。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数  平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス 
060340xx03x00x

胆管(肝内外)結石
胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 
手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし

48 20.81 8.75 2.08 83.08  
060100xx01xxxx

小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術

47 3.62 2.61 0.00 71.64  
110310xx99xxxx

腎臓又は尿路の感染症 手術なし

45 22.07 13.52 2.22 85.00  
040081xx99x0xx

誤嚥性肺炎 手術なし 
手術・処置等2 なし

43 27.30 20.60 4.65 83.42  
100380xxxxxxxx 体液量減少症 22 25.00 10.60 4.55 78.05  

消化器内科では特に内視鏡的治療に力を入れており、R5年度は胆管炎・胆のう炎・総胆管結石などの胆道疾患や、大腸ポリープなどが多い結果となりました。また、高齢の患者様の増加に伴い当院では臓器別によらない総合的な診療に努めており、尿路感染症や誤嚥性肺炎、脱水症といった消化器疾患以外の疾患にも多く対応しています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060241xx97xxxx 痔核 手術あり 37 5.89 5.41 0.00 59.24  
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし
手術・処置等2 なし
34 26.18 20.60 2.94 85.41  
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症
手術なし
25 20.48 13.52 0.00 87.08  
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)
ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等
19 7.84 4.55 5.26 73.26  
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞
手術なし 手術・処置等1 なし
手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし
19 13.05 8.95 0.00 72.11  

胃・大腸・肝臓・胆嚢・膵臓・肛門などの消化器領域を中心に幅広い領域を診察しています。特に痔核に対する治療の地域シェア率はトップです。がん化学療法においても複数の認定医が在籍し、updateな治療が受けられるシステムを整備しております。総合診療ができる強みとして、誤嚥性肺炎や尿路感染症などの疾患にも、専門領域を超えて多く対応しています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折
人工骨頭挿入術 肩、股等
70 56.01 25.50 0.00 83.47  
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷
(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし
36 50.06 19.34 0.00 83.81  
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし
手術・処置等2 なし
15 47.20 20.60 0.00 79.87  
160760xx97xx0x

前腕の骨折 手術あり
定義副傷病 なし

15 13.73 4.76 0.00 70.87  
070230xx01xxxx

膝関節症(変形性を含む。)
人工関節再置換術等

12 42.42 21.96 0.00 71.33  

高齢の患者様が多い当院の特徴として、股関節・大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折など、大腿骨の付け根の骨折)や胸椎・腰椎の圧迫骨折の患者様が多くを占めています。一度の転倒から複数箇所の骨折に至ることも少なくなく、車イスや寝たきりの生活になってしまうことを防ぐため、可能な限り早期の手術やリハビリテーションに努めております。また、あらゆる骨折に対する予防的な観点から、骨粗鬆症の診断、治療にも力を入れています。年々増加する誤嚥性肺炎といった疾患にも、専門領域を超え対応しております。

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症
手術なし
15 19.00 13.52 0.00 82.80  
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病
(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)
手術・処置等2 1あり
14 30.86 13.99 0.00 70.07  
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 13 28.46 20.60 7.69 87.46  
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病
(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)
手術・処置等2 なし
- - 10.66 - -  
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 2あり - - 31.28 - -  

地域の高齢化に伴い、既往疾患や合併症によって複雑化する疾患に対し総合的な診療を行っています。誤嚥性肺炎や尿路感染症など、高齢の患者様が罹患しやすい疾患は勿論のこと、教育入院も含めた糖尿病のコントロールや睡眠時無呼吸症候群の精査加療など、幅広く診療しております。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術
経尿道的手術 手術・処置等2 なし
19 5.95 6.85 0.00 77.95  
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群
慢性間質性腎炎
慢性腎不全
動脈形成術、吻合術
その他の動脈等
手術・処置等2 なし
定義副傷病 なし
14 3.93 7.57 0.00 75.71  
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術
定義副傷病 なし
12 5.75 5.22 0.00 73.08  
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 10 15.00 13.52 20.00 80.10  
11012xxx99xxxx 上部尿路疾患 手術なし - - 7.92 - -  

上部尿路と呼ばれる腎臓・腎盂・尿管、下部尿路と呼ばれる膀胱・尿道や、前立腺などの泌尿器科領域に対し、結石や感染症、悪性腫瘍の治療を行っています。当科では、より合併症の少ない女性の尿失禁手術や新しい前立腺肥大症の手術を島根県内でもいち早く取り入れ、近年では、過活動膀胱の新しい治療法としてボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を圏域で初めて開始するなど、患者様の負担や苦痛を軽減するための新しい治療法を積極的に導入しています。常に患者様のためになる治療を第一に考え、当院でできない治療はできる施設と連携をとるなどして診療しております。

放射線科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 
動脈塞栓除去術
その他のもの(観血的なもの)等
手術・処置等1 なし、1あり
手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし
17 4.88 5.21 0.00 75.76  
170020xxxxxx0x 精神作用物質使用による
精神及び行動の障害
定義副傷病 なし
- - 3.05 - -  
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍
(続発性を含む。)
その他の手術あり
手術・処置等2 なし
- - 10.24 - -  
060300xx97101x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。)
その他の手術あり
手術・処置等1 あり
手術・処置等2 なし
定義副傷病 あり
- - 18.58 - -  
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群
慢性間質性腎炎
慢性腎不全
内シャント血栓除去術等
手術・処置等2 なし
- - 4.51 - -  

特に動脈を介したアプローチに力を入れており、シャント血栓除去を必要とする腎透析の患者様や、肝動脈化学塞栓療法やラジオ波焼灼療法などを行う肝癌の患者様の診療に携わっています。院内に立ち上げたフットケアチームとも連携し、閉塞性動脈硬化症などに対する治療効果の向上のために取り組んでいます。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 13 7.23 6.02 0.00 65.23  
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし - - 8.71 - -  
030428xxxxxxxx 突発性難聴 - - 8.55 - -  
030270xxxxxxxx 上気道炎 - - 4.72 - -  
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - - 4.73 - -  

R5年度は慢性副鼻腔炎が多い傾向にありますが、顔面神経麻痺や突発性難聴、急性扁桃炎、前庭機能障害(めまい等)など、耳疾患、鼻疾患、咽頭・喉頭、顔面神経から顎関節、頸部疾患まで積極的に治療を行っています。また、嚥下内視鏡検査を含めた嚥下評価にも力を入れており、高齢の患者様の誤嚥のリスクを少しでも減らすべく、専門科と共同で行うリハビリテーションにもつなげております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 10 - -  - 14 - 1 8
大腸癌 - - - 12 29 16 1 8,7
乳癌 -  - -  -  - - 1  
肺癌       - - - 1 8
肝癌       - - 14 1 8
※ 1:UICC TNM分類、2:癌取扱い規約

病期(Stage:ステージ)とはがんの進行状況を表すもので、0期からⅣ期の5つに分類されます。0期に近いほどがんが小さくとどまっている状態であり、Ⅳ期に近いほど進行している状態になります。この指標は、がんに対するはじめての治療(初発)時の進行度と、再発で治療を受けた患者数を計上したものです。Stage0は集計対象外となります。部位によらず、初発時にはなかった転移が見られた場合は「再発」、退院の時点で組織検査の結果が出ておらず、診断または進行度が確定していない場合は「不明」として計上されています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 - - -
中等症 42 25.19 80.98
重症 12 45.25 86.00
超重症 - - -
不明 - - -

日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインに掲載の、肺炎重症度分類の定義であるA-DROPスコアを用い、重症度を4段階に分けて集計しています。入院中に発症した肺炎(院内肺炎)や誤嚥性肺炎は含まれておりません。高齢化に伴い肺炎の罹患率は上昇していますが、当院では診療科を問わず肺炎診療にあたっています。集計対象となる肺炎のうち、R5年度は中等症が全体の65%を超え、重症も20%に迫る結果となっております。

脳梗塞の患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 14 92.57 82.64 0.00

当院での脳梗塞治療は、他の病院にて急性期治療を終えられ、継続したリハビリテーションが必要な患者様に対する集中的なリハビリテーションの実施が中心となります。脳卒中地域連携パスを通したスムーズな転院治療が可能となっており、リハビリテーションを目的とした近隣の病院からの転院の受け入れを積極的に行っています。患者様の退院に向け、充実したリハビリテーションの提供を行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)/消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ
・粘膜切除術(長径2
cm未満) 等
39 2.69 6.69 0.00 73.97  
K688 内視鏡的胆道ステント
留置術
36 3.92 31.89 2.78 77.44  
K6872

内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う)

21 2.76 24.05 0.00 85.14  
K654

内視鏡的消化管止血術

19 1.68 19.79 5.26 77.00  
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 18 1.33 29.33 0.00 78.39  

大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は外来・入院どちらにおいても多く行っていますが、特に高齢の方に対しては安全に施行出来るよう2~3日の入院で対応しています。内視鏡的胆道ステント留置術は、総胆管結石や悪性腫瘍に対しチューブステントや金属ステントを留置する処置です。これらの手術は基礎疾患を有する症例に行うため複数回の処置を要し、術後日数が長くなる傾向にあります。いずれの処置も、患者様の負担を最小限に抑えられるよう、内視鏡的アプローチを中心に行っております。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)/循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋
焼灼術(心房中隔穿刺
、心外膜アプローチ)等

97 6.16 11.65 1.03 75.86  
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 30 6.13 21.50 0.00 84.90  
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 等 28 2.79 4.86 0.00 77.68  
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 16 0.19 52.69 6.25 72.69  
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 10 0.20 1.70 0.00 68.30  

不整脈疾患、虚血性心疾患に対するカテーテル治療を中心に、現在年間約200件の心臓カテーテル治療を施行しています。2000年よりPCI、2002年よりカテーテルアブレーションを開始し、2016年にはクライオバルーン・ホットバルーン、2020年からはロータブレーターを導入しました。新しい治療手技を積極的に取り入れ、高齢の方でも安心して受けられるよう安静時間の短縮や検査後の負担の軽減を常に意識し、より低侵襲で、尚且つ複雑な治療が可能となるよう取り組んでいます。近年はペースメーカー移植術も増加傾向です。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)/整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461

骨折観血的手術(大腿)等

44 3.02 55.48 0.00 84.73  
K0811 人工骨頭挿入術(股)

38 3.37 55.76 0.00 81.68  
K0821 人工関節置換術(膝) 等 21 2.76 36.67 0.00 70.14  
K0732 関節内骨折観血的手術(手) 等 17 1.76 19.41 0.00 70.29  
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 10 1.70 21.20 0.00 72.50  

手術が必要な患者様に対し、上記手術を行っています。高齢者の転倒による受傷が多く、早期の手術とリハビリテーションで患者様の機能回復を図っています。当院には「回復期病棟」と呼ばれるリハビリテーションを中心に行う病棟があり、可能であれば手術翌日にもリハビリテーションを進めることができます。患者様の入院前の状態への回復を目指し、術後のスムーズな離床、リハビリテーションへと移行できるよう、多職種での連携も行っています。手術後のリハビリテーションを院内で行うため、術後日数は長くなる傾向にあります。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)/外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7436

痔核手術(脱肛を含む)

(PPH)等 

38 1.03 3.92 0.00 59.76  
K6335 鼠径ヘルニア手術 15 3.47 8.87 6.67 72.93  
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 11 1.00 7.45 0.00 59.09  
K7461 痔瘻根治手術(単純) - - - - -  
K7462 痔瘻根治手術(複雑) 等 - - - - -  

内痔核に対してはALTA療法、PPHを標準術式とし、地域でトップのシェア率です。R5年度の実績としては、痔瘻、鼠径ヘルニアの治療が続きます。腹腔鏡下胆嚢摘出術は、当院がこの地域で初めて施行した実績があります。術後の痛みや苦痛を軽減させるため腹腔鏡手術を積極的に導入しており、大腸癌に対しては、症例を進行癌にも拡大して腹腔鏡手術を施行しています。「痛い病気を痛みなく治す」ことを念頭に、患者様の早期回復への配慮を大切にし、診療を行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)/泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経
尿道的手術)(電解質
溶液利用)等
18 0.00 4.61 0.00 78.22  
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 13 0.00 2.31 0.00 76.00  
K7811 経尿道的尿路結石除去
術(レーザー)
12 0.08 4.67 0.00 73.08  
K841-5 経尿道的前立腺核出術 - - - - -  
K821-2 尿道狭窄拡張術(尿道バルーンカテーテル) - - - - -  

膀胱悪性腫瘍手術が上位になっています。R5年度は腎透析を行う患者様に対する内シャント造設術の実績も増加しました。レーザーを使用した腎結石・尿管結石の手術についても常時対応しております。前立腺肥大症に対する手術は、前立腺の肥大した部分をくり抜く手術を電気メスを用いて行っております。手術中の出血や再発の少ない、全国的に拡がりつつある手術方法です。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)/放射線科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 19 0.05 8.84 0.00 75.95  
K6153

血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他)

- - - - -  
K6093

動脈血栓内膜摘出術(その他)

- - - - -  
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) - - - - -  
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -  

閉塞性動脈硬化症や透析シャント閉塞などに対し、血管塞栓術、血管拡張術、血栓除去術などによる治療を積極的に行っています。また、血栓予防や末梢血流障害の早期発見・早期治療のため、フットケアにも力を入れております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 23 0.82
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -

 

重篤な感染症や、手術・処置等の合併症の症例数・発生率を示したものです。「外科的及び内科的ケアの合併症」に分類されるコードに該当する疾患が計上されており、カテーテル感染症や投与薬剤に対する副作用、予防接種後の発熱なども含まれます。高齢の患者様が増える中、ご入院時に既に罹患されている症例も少なくなく、いかに早期に回復につなげるかに注力して治療しています。臨床上ゼロにはなり得ないものの少しでも改善すべき指標として、医療の質向上を目指しております。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
207 187 90.34

肺血栓塞栓症を引き起こすリスクの高い患者様に対する、予防対策の実施割合を示しています。肺血栓塞栓症はエコノミークラス症候群ともいわれ、血管の中で固まった血液の塊(血栓)が血流に乗り、肺動脈に詰まることで呼吸困難や胸痛を引き起こします。寝たきりや下肢の手術後に発症することが多く、当院では、弾性ストッキングの着用や空気圧迫装置(フットポンプ)の使用など、リスクレベルに応じた適切な予防対策で肺血栓塞栓症を未然に防げるよう取り組んでおります。

血液培養2セット実施率

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1228 1193 97.15

当院では、薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)対策として、感染症入院時の血液培養採取、血液培養2セット採取を原則として実施しています。2セット採取することで菌検出の感度を上げ、見落としを防ぎ、原因菌特定の判断をより確実に行えるよう、取り組んでいます。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
321 258 80.37

広域スペクトル抗菌薬使用は、重症度が高い患者様に対し、多剤耐性菌を考慮した場合の治療選択です。感染症治療をいち早く完了するためには、適切な抗菌薬の使用と同時に、適切な量と投与期間の見極めが必要不可欠です。培養結果を基に感受性のある抗菌薬を適切に使用することで、感染症治療に対する最大限の効果を導き、有害事象を可能な限り最小限にとどめるよう、努めております。